黒い罠
(くろいわな Touch of Evil)
1958年4月23日に公開されたアメリカ映画。
監督はオーソン・ウェルズ。原作はホイット・マスタースン(マスターソン)の同名小説「黒い罠」である。映画監督、脚本、俳優としてオーソンが参加している。脚本を仕上げる際に原作から多くの部分を改変している。そのタイトルが示す通り、暗く、ヘビーな犯罪をテーマにした、いわゆる"フィルム・ノワール"的な作品である。結果的にはこれがオーソンのアメリカでの映画製作を終わらせた作品であり、これ以降、彼は海外にその活動の場所を移している。公開された当時は会社側の意向によって大きくカットが行われ、オーソンと会社は揉めることになる。しかも商業的に失敗。ただし、一部批評家からは高い評価を受け、1960年代には再評価の動きも高まりカルト的な人気を呼んだ。1998年にはウェルズが残したメモに基づき再編集されたディレクターズ・カット版が公開された。
※ボーダーレスに所属するクリエイターの作品ではありません
あらすじ
アメリカとメキシコの国境地帯にある、田舎町のロス・ロブレスが作品の舞台。この地に新婚旅行でやってきたメキシコ人麻薬捜査官のヴァルガス(チャールストン・ヘストン)と妻のスーザン(ジャネット・リー)。彼らは国境を越えたとたんに自分たちを追い抜いていった高級車が爆発炎上するのを目撃する。地元の有力者リネカー氏の車であった。ヴァルガスは妻をホテルに預けると捜査を開始した。その後、アメリカ側からやってきた、肥満体の老刑事・ハンク・クインラン(オーソン・ウェルズ)。彼は絶対に犯人を逃さないことで有名だった。車が爆発したのはアメリカ領内だが、爆弾が仕掛けられたのはおそらくメキシコ領内であろう。故郷地帯の田舎町を舞台に、メキシコ、アメリカという国家の問題を抱えながら捜査は行われていくのだった...
エピソード
非常に複雑な経緯を持って公開された映画である。オーソンが資金集めのためにメキシコに行っている間に無断で映画の脚本変更と追加撮影、そして再編集を行った109分の作品は「試写会版」と呼ばれる。ロサンゼルスで行われた先行上映会での不評を受けて更に短くした96分の作品は「劇場公開版」である。上記の通り、最終的にオーソンの死後に彼のメモを元に再編集され1992年に公開された111分の「修正版」によって本作はその名誉を取り戻し、作品の評価を不動なものにしている。
撮影時、ヒロイン役のジャネット・リーは左腕を骨折していた。ギプスで固定された彼女の腕を映さないように、巧妙なカメラワークを駆使している。
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