浮雲
(うきぐも)
1955年(昭和30年)1月15日に公開された日本映画。
監督は成瀬巳喜男であり、原作は林芙美子の同名小説「浮雲」である。脚本は水木洋子が担当。監督の成瀬、主演の高峰秀子、脚本の水木にとって代表作となる作品である。また、助監督を後に日本映画の大監督になる岡本喜八が務め、撮影を玉井正夫、美術を中古智、音楽を斎藤一郎が務めるなど、裏方に超一流が集まった作品でもある。終戦後の激動の日本に付いていけずに破滅への道を歩む男と、分かってはいながらも離れきれない女の、悲しくも激しい恋愛を描くラブストーリーで、国内外問わず本作の評価は高い。『キネマ旬報社』が発表する日本映画ランキングのトップ10常連作品で、映画監督の小津安二郎、フランスの映画監督レオス・カラックスも本作を絶賛している。
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あらすじ
太平洋戦争も激化の一歩を辿る1943年、ゆき子(高峰秀子)は農林省のタイピストとしてベトナムに向かい、現地で同じく農林省の技師であった富岡(森雅之)と運命の出会いをする。最初は富岡に対してあまりよい感情を持っていない彼女であったが、やがてふたりは結ばれる。富岡には日本の妻子がいるのだが、ゆき子のために離婚を約束し一足先に帰国をする。だが、帰国後、富岡を訪ねたゆき子が見たのは、まだ離婚をせず妻と一緒に暮らす富岡の姿だった。将来を誓い合ったはずの彼に失望したゆき子は、米兵の情婦として生きることを選ぶ。しかし結局ふたりは寄りを戻し、伊香保温泉へと向かうのだが、富岡はそこで出会った人妻のおせい(岡田芙莉子)とも関係を持ってしまう...
エピソード
本作は成瀬の代表作といわれている反面、重苦しい雰囲気やこってりとした画調などは、他の成瀬作品と比較してかなり異質である。そのために本作を代表作とするのは違うのでは、という意見も多い。自身も本作を最高傑作とは見なしていなかったとされている。
主演を依頼された高峰は、映画の内容に「これは自分では演じ切れない」と考えて、あえて台本を音読したテープを成瀬らスタッフたちに送った。こうすることによって自分の未熟さを理解してもらい、出演を断ってもらえるだろうと考えたのだが、その行為が逆に「この作品に賭ける意気込み」として受け取られてしまい、ますます強く出演依頼を受けることとなった。
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