狂った果実
(くるったかじつ)
1956年(昭和31年)7月12日に公開された日本映画。
監督は中平康。原作は石原慎太郎の同名小説「狂った果実」であり、脚本も石原慎太郎自らが担当している。大人の世界に反抗する若い世代のモラルを描いた石原慎太郎の小説「太陽の季節」姉妹篇とされる、いわゆる『太陽族映画』の代表作のひとつである。中平にとっても同作品は代表作といわれる。2002年に、舞台を現代に移したテレビドラマ「狂った果実2002」がリメイク版として放送された。
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あらすじ
主人公の滝島夏久(石原裕次郎)は屈強な肉体を持つ、不良の魅力をはらむ男らしい青年。それに比べて弟の春次(津川雅彦)は、ひ弱な体で女にもおくてな、まだあどけない少年であった。ある日、弟の春次は逗子駅ですれ違った恵梨(北原三枝)に一目惚れをしてしまう。ウォータースキーのレースで恵梨と再会した春次は、パーティ会場に彼女を誘うなどし、関係はどんどんと進展していった。そんなある日、夏久は横浜のナイトクラブで外国人と踊る恵梨の姿を目撃する。その話を春次に黙っていることを条件に、夏久と恵梨は関係を結んでしまう。兄弟ふたりの中で揺れる恵梨。しかし思わぬ展開が3人には待ち受けていたのだった...
エピソード
日活は石原慎太郎が小説を書き終わる前から本作の映画化を打診していた。石原慎太郎は「弟・裕次郎の主演」を条件に承諾したという。また、準主演の津川雅彦は、ある結婚式でたまたま石原慎太郎が目撃し「彼でなければ駄目だ」という強力な推薦により出演が決定した。芸名である「津川雅彦」も小説「太陽の季節」のメインキャラクター「津川竜哉」から命名した。
これ以前の銀幕のラブストーリーといえば、優しい男と悲しい運命に操られる女といった、いわゆるメロドラマ的な作品が主であったが、荒々しい男らしさを前面に押し出す裕次郎の存在感が、その後の日本映画における主役のイメージを一変させたといえる。
この作品で石原裕次郎は、のちに実生活で結婚することになる北原三枝と初共演した。
また本作はフランスのヌーヴェルヴァーグ(新しい波)への強い影響が指摘されている、実際にパリで本作が上演された後に批評家トリュフォーは、「Si jeunes et des japonais」を書いて本作を絶賛している。
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