めし
(めし)
1951年(昭和26年)11月23日に公開された日本映画。
監督は成瀬巳喜男であり、原作は林芙美子の同名小説「めし」である。この原作は朝日新聞に連載されていたもので、著者は執筆中に急逝。そのために本作のラストは成瀬らによって独自のものが作られた。成瀬は本作以降も林の原作の作品を複数映像化している。本作は林原作作品の第一段。戦後まもない大阪を舞台に、"倦怠期の夫婦"を描いたホームドラマであり、戦後しばらく低迷していた成瀬巳喜男が復活するきっかけとなった佳作である。なお、監修としてノーベル文学賞の川端康成が参加している。
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あらすじ
大恋愛の末に結婚をした岡本初之輔(上原謙)と妻の三千代(原節子)の夫婦も、結婚から5年経ち、どうやらだんだんと"倦怠期"に落ちいってきたようである。東京から大阪へ転勤してきて、最初の頃のときめきもすっかりと色あせてしまい、今ではわずかなことで揉め事を繰りかえすのだった。そんな中に姪っ子の里子(島崎雪子)が東京から家出してやって来て、ただでさえ重苦しい岡本家の家庭の空気を、さらにかき回して収集が付かなくしてしまうのであった... そんな中、三千代が同窓会で家をあけた日のこと。彼女が帰ってくると玄関に置いてあった新しい靴が盗まれてしまっていたり、二階には誰かが寝ていたらしい毛布が敷かれていたりしていて、三千代の心に、「初之輔と里子は実は不倫しているんじゃないか... ?」と、疑いの気持ち、不安な気持ちが浮かんでは消え、浮かんでは消えするのであった。家庭内のこうした重苦しい、張り詰めた空気。耐えきれなくなった三千代は、里子を連れて東京へ旅立つことにしたのだった。彼女は彼女なりに真剣な、もう再び初之輔の許へは帰らぬつもりでの、決意の家出であった...
エピソード
当時「永遠の処女」といわれていた原節子が、倦怠期の若妻を演じ、新境地を切り開いた作品でもある。なお、亭主役の上原謙(加山雄三の父として有名)も、本作当時は圧倒的な二枚目俳優として人気を誇っていた。本作はそんなアイドル並みの人気を誇る二人のターニングポイントとしての意義も大きい。
上記の通り、小説版が未完だったため、映画独自のラストに関しては原作者の林芙美子ファンから批判的にみられる場合がある。
ロケ地に大阪の街並みがそのまま使われおり、戦後復興期の関西を知る上でも貴重な資料的価値がある映画である。
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