彼岸花
(ひがんばな)
1958年(昭和33年)9月7日公開された日本映画。
監督は小津安二郎であり、原作は里見弴の同名小説「彼岸花」である。本作は里見弴と親交のあった小津が、里見と共同でシナリオ化したものである。また本作は小津監督初となるカラー作品である。小津のテーマといえる"家族愛"について深く掘り下げてあり、国内外で非常に評価の高い文芸作品である。ブルーリボン賞で山本富士子が主演女優賞を受賞、文部省芸術祭で芸術祭賞を獲得するなど高い評価を得た。
※ボーダーレスに所属するクリエイターの作品ではありません
あらすじ
大和商事の取締役・平山渉(佐分利信)と元海軍士官の三上周吉(笠智衆)、それに同じ中学からの親友・河合(中村伸郎)たち、彼らは気の置けない親友同士、集えばそれぞれ成人してゆく子供達の噂話に花を咲かせる仲である。平山と三上には年頃の娘がいる。平山家は妻の清子(田中絹代)と長女の節子(有馬稲子)、高校生の久子(桑野みゆき)の四人家族。三上のところは一人娘の文子(久我美子)だけである。ある日に行われた、河合の娘の結婚式に、三上が姿を現さないのだった。なじみの料亭「若松」にも姿を見せない。それは、どうやら彼の娘・文子が、彼の言うことを聞かずに、男と同棲しているからのようだった。事情を知った平山は、三上のために、部下を使って文子のことを調べさせた。だが、その調査の結果は、心配することなかれ、文子はその交際相手と真剣に結婚を考えているということであった。だがしかし... 平山は、親友の娘のことならOKなのだが、それが自分の娘の嫁入り話になると、やはり人事というわけにはいかなくなるのだった...
エピソード
本作は小津にとってはじめてのカラー作品であり、どのカラーフォルムを使用するのかが問題となった。小津はあえて西ドイツのアグフア社製のカラーフォルムを選択。理由としては赤の発色が他の候補である、アメリカのコダック、日本の富士フイルムより優れていたからだとされる。
せっかくのカラーフィルムということで、料亭のシーンで使われている茶碗や掛け軸などはすべて本物の骨董品を使用し、総額2000万円にも上った。
2013年のベネチア国際映画祭で『小津安二郎監督生誕110年プロジェクト』として、本作のデジタルリマスター版がワールドプレミア上映された。
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