晩春
(ばんしゅん)
1949年(昭和24年)9月13日に公開された日本映画。
監督は小津安二郎であり、原作は広津和郎の小説「父と娘」である。娘の結婚について悩む父親を描いたホームドラマであり、これ以降、小津はこのテーマに深く切り込んでいくことになる。本作で「紀子」を演じている原節子は、小津の「麦秋」と「東京物語」でも同名の役を演じており、そのことから、これらの作品を『(小津の)紀子三部作』と呼ぶことがある。"原節子の起用"、"家族をテーマにしたドラマ"、"脚本家・野田高梧との共同執筆作業"など、小津節を発揮するための数多くの要因が、本作で確立したといえる。なお、2003年に小津安二郎生誕100年を記念し、「娘の結婚」というタイトルでリメイクされ、WOWOWのドラマとして放送された。(リメイク版の監督は市川崑、主演は長塚京三、鈴木京香)
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あらすじ
曽宮周吉(笠智衆)は早くに妻に先立たれ、大学教授をしながら娘の紀子(原節子)と二人暮らしをしているのだった。娘の紀子は体もそう強くないし、父は父で仕事が忙しいわけで、いつのまにか27歳という、当時の女性としてはかなり微妙な年齢になっているというのに、まだ嫁に行くでもなく、父の身の回りの世話などをしているのだが、それが周吉にはとても申し訳ないやら、そして複雑な思いをするやらなのであった。周吉の妹、田口まさ(杉村春子)も心配している。この頃では紀子も元気で、同級生の女友達・北川アヤ(月丘夢路)とよく遊びに行く。アヤは一たん結婚したが、今のところバツイチ出戻りということで、ひとまず1回は結婚を経験しているということなのだ。また周吉の助手をしている服部(宇佐美淳)もまもなく結婚するという。周吉も、妹のまさも、なんとかして紀子を結婚させようとするが、肝心の紀子は首を縦に振らないのだった。仕方なく周吉は一計を巡らす。それは妹のマサが持ってきた茶道の師匠・三輪秋子との再婚話を、自分が受け入れると嘘をつくことだった。そうすれば、もしかしたら紀子の心だって動くかもしれない。それによって結婚を決意させようとしたのであるが...
エピソード
本作には、日本映画史に残る「壺のカット論争」というものが存在している。これは京都の旅館のシーンで笠智衆と原節子が枕を並べて眠っていると、一瞬壺のカットが入るというものである。この壷のワンカットが、いったい何を表現しようとしているのか?意図は?数々の意見が出され、いまだに決着はついていない。
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