溝口 健二
(みぞぐち けんじ 1898年5月16日~1956年8月24日)
『女性映画の巨匠』と呼ばれている。不運な人生を歩む女性を中心にした作品を、美しい映像と作品を得意とした。ヌーヴェルヴァーグ世代のヨーロッパの映画作家に大きく影響を及ぼし、黒澤明、小津安二郎、成瀬巳喜男らと共に日本映画の巨匠と呼ばれる。東京都出身。
※ボーダーレスに所属するクリエイターではありません
映像作品に対するこだわり
演技の流れを重視し、カットによってそれが切れてしまうことを嫌った。そのために溝口作品には長回しでのシーンが多い。これは流麗かつ緊張感を出すという演出に繋がっている。これは俳優陣の優れた演技があってこそ実現するものだが、溝口は演技指導などをせずに撮影を行った。俳優がその役になっていれば自然と演技ができるはずという考えがあったからである。そのために、リテイクを繰り返す溝口に俳優が質問をしても「演技するのが役者の領分でしょう」と一切助言をしなかったとされる。また、この長回しは、彼の右腕といわれた宮川一夫の力によるところも大きい。自分よりも10歳年下の新人カメラマンであった宮川と組まされたとき溝口は激怒したそうであるが、一緒に仕事をして即座にその才能を見抜き、以後は常に自身の撮影には宮川を使うことになる。傲慢であり、現場では誰の意見にも耳を貸さなかったといわれている溝口であるが、宮川の意見だけは多く取り入れたそうである。また、脚本家の依田義賢も溝口に重用され、ともに多くの作品を残している(ちなみにこの依田義賢は、スターウォーズのヨーダのモデルであるといわれている)。俳優、撮影、セット、小道具にいたるまで一切の妥協を許さず、現場では独裁者といわれるほど傲慢な振る舞いで有名な監督であるが、このように、自分にとって絶対的に信用できるスタッフとの共同作業の結実こそが、溝口作品の大きな特徴になっているといえる。
エピソード
ヌーヴェルヴァーグ世代のヨーロッパの映画作家に強い影響を与えた。その中でも特に映画監督のジャン=リュック・ゴダールの溝口への傾倒ぶりは有名。溝口の墓参りを行った話や「好きな監督を3人挙げてください」という質問に「ミゾグチ、ミゾグチ、ミゾグチ」と返答するほどであった。
女性を中心に置いた作品作りで一世を風靡した溝口だが、女性への暴言があまりに酷いことで有名だった。情婦を怒らせ斬りつけられる経験もしている。溝口は斬りつけられたことに対して「これぐらいのことをされないと、女は描けないよ」と語っている。
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