社員教育・研修に動画を活用して業務効率化・コスト削減
マニュアル・HowTo動画の主な活用事例として、社員教育や社員研修への利用があります。社内用として使われる動画にはいくつかの種類があり、一般的に多いのは以下の4種類です。
- 社内マニュアル・研修
- 営業マニュアル
- 業務の手順書
- ソフト・機械などの操作マニュアル
【社内マニュアル・研修】
主に社内ルールや基礎的なビジネスマナーなどを動画化したもの。新入社員向けの「新人研修動画」や、管理職向けの「店舗運営マニュアル」、教育担当者向けの「OJTマニュアル」などがある。
【営業マニュアル】
自社の営業プロセスを動画化したもの。アポイントの取り方などの基本業務から、自社商品やサービスを売るためのノウハウやコツまで共有することで営業部署全体のレベルアップが見込める。
【業務の手順書】
業務の手順や仕事の流れについて動画化したもの。部署やチームごとの業務手順書を制作しておくことで、入社時や部署移動時の教育に活用でき、効率的な人材育成をはかることができる。
【ソフト・機械などの操作マニュアル】
業務に使用するソフトウェアや専門機器などの操作方法について動画化したもの。文章や図だけでは伝わりにくい内容も、実際の作業シーンを映しながら解説できるため理解を得やすくなる。
社内用研修動画の作り方を詳しく説明していますので、こちらの記事をご覧ください。
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これらの動画をトレーニングや指導と併用することで、指導担当者の負担を軽減したり、研修に要していたコスト削減につなげることもできます。
成功事例や効率的なマニュアルをノウハウとして共有すれば、企業全体の業務レベルの底上げも期待できるでしょう。
Webサイトに動画を活用して顧客満足度向上と長期的関係構築
マニュアル・HowTo動画をWebサイトへ掲載している事例も数多くあります。
自社のコーポレートサイトはもちろん、ECサイトや、商品・サービスプロモーション用のサイト、メディアサイトなど、利用シーンは様々です。
Webサイトへ掲載される動画の例として、以下のようなものがあります。
- 商品・サービスの取扱説明や利用方法
- 商品・サービスのアフターサポート
- アプリ・ゲームなどのチュートリアル
- 料理・ハンドメイドなどのレシピや作り方
【商品・サービスの取扱説明や利用方法】
主に自社商品やサービスを購入したユーザー、購入を検討している顕在層に向けた動画。冊子式の取扱説明書ではわかりにくい箇所をフォローしたり、実際の映像で使い方を視覚的に解説することができる。
【商品・サービスのアフターサポート】
主に自社商品やサービスを購入したユーザー、購入を検討している顕在層に向けた動画。お手入れ方法や、トラブル時の対処法、FAQなどをまとめた内容であることが多い。
【アプリ・ゲームなどのチュートリアル】
アプリやゲームユーザーに向けて、主に操作方法を伝えるための動画。操作の基礎以外にも、応用テクニックやより効果的な利用法など、中上級者向けにステップアップした内容を取り入れることもある。
【料理・ハンドメイドなどのレシピや作り方】
料理のレシピや、裁縫、DIY、編み物などハンドメイドアイテムの作り方を伝えるための動画。実際にどのように作っているのか見ながら実践できるため習得しやすく、思い違いなどによる失敗も起こりにくいメリットがある。
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BtoC商品やサービスを扱っている多くの企業が、自社のWebサイトにマニュアル動画やお手入れ動画を公開しています。コンテンツとして掲載することで、購入後の満足度向上や、顧客との長期的な関係性づくりにつなげています。
また、メディアサイトでは近年HowTo動画の需要が高まっている傾向です。従来テキストと静止画コンテンツが主だった料理レシピなども、スマートフォンの普及に伴い、続々と動画化されています。
使い方などの説明は専門用語が使われることも多く、文字だと長文になって伝わりづらいこともあるのがネックでした。特にソーシャルネイティブと呼ばれる若年層の場合、長い文章を読むこと自体を苦手とする人も多いでしょう。
その点、動画は一般的な若年層にとって非常に親しみやすいコンテンツといえます。マニュアルやHowToを動画コンテンツとして公開することで、長文の説明が不要になり、理解度のアップにつながります。
YouTubeチャンネル・SNSで販促ツールとして活用
マニュアル・HowTo動画を自社のYouTubeチャンネルやSNSで公開し、販促ツールとして活用している事例もあります。
動画はテキストや静止画コンテンツより情報量が多く、実際の操作シーンなどを見せることができるのがメリットです。
例えば、購入を検討しているのに実物を見に行くことができないようなシチュエーションでも、動画を見ることで使用シーンをリアルにイメージしてもらうことができるでしょう。お手入れ方法などのアフターケアを事前に確認できれば、購入後の安心感にもつながります。
商品やサービスの利用を真面目に検討している顕在層にとって、マニュアル・HowTo動画は購買意欲を高める要素にもなるのです。
気軽に視聴できるYouTubeチャンネルやSNSと上手く組み合わせることで、売上アップ効果も期待できるでしょう。
販促効果を狙うのであれば、「簡単そう」「便利そう」「使いやすそう」など、ポジティブなイメージがわく構成や演出を意識することも大切です。
付録DVDでCS向上と社員教育
マニュアル・HowTo動画は、商品の付録DVDとして活用されることも多いです。
ソフトウェアなどは特に、説明が専門的になりがちという理由から、冊子の取扱説明書 + DVDマニュアルが付属するケースが多くなりました。
DVDは、プレイヤーさえあればインターネット環境がない場所でも視聴できる点が便利なメディアです。商品のチュートリアルを付録DVDにすることで、使い方を視覚的にわかりやすく伝えることができます。商品自体の価値に加え、使用方法もわかりやすくて簡単という付加価値をつけることができれば、CS向上にもつながるでしょう。
付録以外には、社員教育用に制作した動画をDVDに記録して活用する事例もあります。DVDは配布や貸し出しも容易なので、自主学習を促すのにも便利です。
作業フローや現状の課題を整理する
マニュアル・HowTo動画制作に入る前のプロセスとして大切なのが、情報を整理することです。
動画化したい作業やマニュアルについて、まずはフローを全て書き出し、伝えたい内容を漏れなく可視化させましょう。この時に工程ごとのポイントなどを一緒に書き込んでおくと、後のシナリオ作成時に役立ちます。
もし現在使用中のマニュアルがあるなら、現状の課題点やわかりにくい点などを洗い出しておきましょう。動画化の際に、その箇所を重点的にフォローできるようになります。
複数の担当者で指導していた研修など、人によってバラつきが出てしまいがちな内容も、改めて内容を洗い出すことで統一をはかることができます。
活用シーンによっても異なりますが、マニュアル・HowTo動画制作の際には、視聴者はその分野に明るい人ばかりではないことを忘れないようにしてください。
「初めて見る人でも理解できるかどうか」を念頭に置いて、伝えるべき情報をまとめましょう。
テーマを絞って短い尺で完結させる
効果的なマニュアル・HowTo動画を制作するには、テーマを絞って短い尺(長さ)で完結させることも重要なポイントです。
情報を詳細かつ正確に伝えようとすると、つい長尺な動画になってしまうことがあります。しかし、視聴者の理解を促すことを考えると、尺が長すぎて逆効果になってしまうことも多いのです。
シンプルなマニュアル・HowTo動画を制作するために有効なのが、1つの動画に1つのテーマのみを取り入れる手法です。
例えば、ある商品の操作方法が複雑で、全体を通して説明をするとどうしても長くなってしまうような場合は、「セットアップ編」「基本編」「応用編」など伝える情報を小分けにし、それぞれ短尺な動画として制作すると良いでしょう。
テーマごとに別々の動画を用意することで大切なポイントも頭に入りやすく、1つ1つの作業の理解度アップにつながります。
また、テーマで分けることで視聴者のニーズが細分化できるのもメリットです。部分的な情報のみが知りたい視聴者にとって、求める情報が見つかりやすくなるため、ストレスを与えず視聴してもらうことができるでしょう。
テロップやナレーションを適宜取り入れる
マニュアル・HowTo動画では特に、「わかりすさ」が最大のポイントです。いかに見やすく・わかりやすく表現できるかがそのまま満足度や成果につながるといえます。
視聴者の理解度を高めるための手法として、テロップは欠かせません。テロップは、映像の上に文字や図形などを重ねるグラフィック表現のことです。
重要な言葉を目立たせたり、話の内容を補足することで、見る人にわかりやすく伝えることができます。スマートフォンでの閲覧を想定する場合は、画面サイズを考慮して視認性の高いテロップにする気配りも大切です。
また、わかりやすいマニュアル・HowTo動画を制作するには、ナレーションを取り入れるのも有効な手法です。ナレーションには、動画全体のナビゲーターとして進行したり、わかりにくい内容の補足や解説をするといった役割があります。
音声からも情報が入ることで理解の促進も期待できるので、必要であれば検討しましょう。